佐賀県の森林と林業
佐賀県の森林
- 植生
- 佐賀県|森林の植生
- 佐賀県の最高海抜高度は1,076mと低く、自然植生はほとんどヤブツバキクラス域の常緑広葉樹林で占められています。 海抜300〜600m付近ではスギ・ヒノキの植生地が広く残存しており、その他同じ海抜の地域ではウラジロガシが広く広がっています。300〜800mではケヤキが、600〜800mではアカガシが分布しています。佐賀平野をはじめ平地が多く1,000mを超える山も少ないため森林率が低くなっています。
- 歴史
- 佐賀県|森林の歴史
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県有林の始まりは1904年に藩からの寄贈を受けて造成された佐賀市久保泉町の第一模範林であり、林業経営の模範的役割を担ってきました。1950年からは主伐が開始され県の財政に貢献しています。
現在、原生的な天然林はほとんどなく、スギ・ヒノキの人工林が森林全体の大半を占め、人工林率が全国1位となるほど高いことが特徴です。
近年は森林整備に積極的に取り組んでおり、100万本の広葉樹植栽を目指す「こだまの森林づくり」や、広葉樹苗木の認証制度「さがの樹認証制度」を実施しています。さがの樹認証制度では、県内に自生している優良な母樹から種子を採り県内で育てた苗木65種を「さがの樹」として認定し、種子採取から出荷に至るまでの生産履歴を一元管理する「さがの樹生産履歴管理システム」によってトレーサビリティも確保しています。
- 特色
- 佐賀県|森林の特色
- 佐賀県林業試験場では、1965年からスギの品種改良に取り組んできました。農業分野と違って林業分野では品種改良に長い年月がかかるため、1965年に着手した改良品種は「サガンスギ」として2021年に品種登録、2022年に商標登録されました。従来品種に比べて成長が早く、強度が高く花粉が少ないという特性があります。全国に先駆けた品種改良の成果として、2022年から県内への供給が始まっています。
佐賀県の林業
- 資源の現状
- 佐賀県|資源の現状
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森林総蓄積は約3,700万㎥と全国の0.7%を占めており、天然林が532万㎥(広葉樹約96%)、人工林が3,172万㎥(針葉樹99%)となっています。森林総蓄積のうちの人工林の蓄積量は86%を占めているため、全国と比較して人工林率が高いことがわかります。(全国平均は64%)
人工林の齢級構成は、41年以上(9齢級以上)が約8割を占めており、大径木が多くほとんどの木が伐採期を迎えています。
- 素材生産
- 佐賀県|素材生産
- 全体の素材生産量は15万㎥で蓄積量の0.4%を利用している現状があります。樹種別生産量比較としてはスギが56%、ヒノキが37%となり、用途別生産量では製材用が78%、合板が4%、木質チップが18%となります。
- 木材流通
- 佐賀県|木材流通
- 佐賀県木材協会のHPにおいて、県産木材(構造材、羽柄材、造作材)の製材工場の在庫をリアルタイムに検索できる「在庫情報検索システム」を設置しています。
- 木材の利用促進
- 佐賀県|木材の利用促進
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・県が運営するHP「Yoka-Wood」では県産材の特集や県産材を利用した家具や建物を紹介しています。
・県では新築木造住宅、リフォーム、展示効果の高い施設の一部木質化だけでなく、県産木材を利用した木塀の設置費用の補助を行っています。
・県内の鹿島藤津地域で生産される優良材を「多良岳材」と称しブランド化を進めており、樹種や苗木の剪定を通じて多良岳材を安定して供給できる体制を整えています。また、「多良岳200年の森」事業として、樹齢約50年の木を長期的に間伐を繰り返し、最終的には1haあたりの本数が100本で、樹高40m、直径1mの大径材を目指す取り組みも行われています。
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