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愛媛県の森林と林業

愛媛県の森林

植生
愛媛県|森林の植生
海抜500m以上の地域ではほとんどがスギ・ヒノキの植生地となっており、海抜1,000m以上の山地でしか自然植生がみられません。1,000m以上ではブナが優先的に植生しており、ミズナラ、コハウチワカエデなどがみられます。
現在、県の森林率は約70%と高く民有林の人工林率も全国平均を大きく上回り、東予地方(新居浜や西条を中心とした地域)はスギ林とヒノキ林が多く、中予地方(松山を中心とした地域)はスギ林、南予地方(宇和島を中心とした地域)ではヒノキ林と天然生広葉樹林が多くなっています。
歴史
愛媛県|森林の歴史
かつては人口が稀薄で林産物の需要量も少なく、農耕地として開墾された場所以外の森林は原始林に富んでいました。安土桃山時代は大阪城・伏見城の建設のため伊予からも木材が搬入され、江戸時代には西条藩が山を管理し良材を生産できたことから用材・薪炭材が他藩へ流通することが多くありました。

江戸時代は各藩が行っていた山林管理政策により管理されていましたが、明治維新をきっかけに規制が解除されたことから森林の乱伐が進み、焼畑などではげ山ができ、急速に森林資源が失われていきました。明治以降に増加した陶磁器生産の燃料のため木材消費が増加した事情もありました。

県を代表する林業地の久万では、和歌山県から本町の四国霊場44番札所「菅生山大宝寺」の住職として来住した井部栄範が、その地の荒廃した様子を憂いて、自然条件がスギの育成に適していることに着目し、1872年から積極的に植林を行い、住民にも森づくりへの参画を促すことで森林産業が発展してきました。
特色
愛媛県|森林の特色
明治期に井部栄範によって始まった久万林業は、1960年頃から本格的に木材産地としての体制を整え始めました。「品質の揃った良質材を生産する」という目的のもと、全国に先駆け1969年に郡単位で独自の育林技術体系を作成し、林研グループ、行政、森林組合、林家が一体となった全町的な施策の展開を図りました。こうした取り組みの成果として、現在一般に流通する久万杉は40〜60年生のものが多くを占めています。

愛媛県の林業

資源の現状
愛媛県|資源の現状
森林総蓄積は約1.2億㎥と全国の2.2%を占めており、天然林が2,192万㎥(広葉樹約68%)、人工林が1億㎥(針葉樹99%)となっています。森林総蓄積のうちの人工林の蓄積量は82%を占めているため、全国と比較して人工林率が高いことがわかります。(全国平均は64%)
人工林の齢級構成は、41年以上(9齢級以上)が約9割を占めており、大径木が多くほとんどの木が伐採期を迎えています。
素材生産
愛媛県|素材生産
全体の素材生産量は51万㎥で蓄積量の0.4%を利用している現状があります。樹種別生産量比較としてはスギが61%、ヒノキが39%となり、用途別生産量では製材用が100%、合板が0%、木質チップが0%となります。
木材流通
愛媛県|木材流通
愛媛県産材製品市場開拓協議会では、トレーラーによる大口配送はもちろんのこと、協議会メンバーが協力し、積み合わせ配送や小口配送体制など多様な配送体制をとることで、全国にジャストインタイムでの配送することを可能にしています。
木材の利用促進
愛媛県|木材の利用促進
・県では「地域材を活用した新商品事例集」を発行し、「媛すぎ・媛ひのき」を利用した木造ユニットボックスからCLTドームハウス、ヒノキの除菌消臭スプレーなど様々な商品を紹介しています。
・県産木材の利用促進のための新築や造改築、改装での木造化、木質化に支援を行っています。

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