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静岡県の森林と林業

静岡県の森林

植生
静岡県|森林の植生
海抜500〜800mの地域でシイ、タブ、カシ類で多く覆われる常緑広葉樹林が生育しています。海抜800〜1,800mの大井川・天竜川流域、富士山中腹、愛鷹山、天木山地および箱根の一部でブナ林やツガ林、ウラジロモミ林、ヒノキ林や渓谷にシオジ林、河床部にヤナギ高木林が生育しています。海抜1,800m〜2,500mの範囲で赤石山地と富士山南斜面にシラビソ、オオシラビソなどの常緑針葉樹が生育しています。
歴史
静岡県|森林の歴史
有名な天竜林業における最初の植林は春野町秋葉神社の境内林として記録されています。1696年に水窪町山住神社の宮司が三重県の熊野から3万本の苗木を持ち帰り、天竜山に植林を行った記録も残っています。
江戸の市場に青山善右衛門が創始したという「こけら板」が流通すると、非常に有名となり市場を独占しました。
明治時代中期には天竜川の氾濫を収めるために金原明善が13年間で292万本を植林しました。同時期に日本国内初のパルプ工場が春野町に誕生しました。
特色
静岡県|森林の特色
浜松市天竜区で生産される天竜杉は、国産針葉樹材の中でも最高峰の品質を誇ると言われています。急斜面が多い地域で育っていますが、雪が少なく温暖な気候のおかげで根曲がりが少なくまっすぐに育つことが特徴です。また、赤みが多く見た目が美しいことに加え耐久性にも優れているため、内装材はもちろん構造材にも用いられます。
この地域の森林自体も、江戸時代からの育林や、明治時代の金原明善による天竜川の治水事業などを経て、日本三大美林のひとつである天竜美林として名をはせています。

静岡県の林業

資源の現状
静岡県|資源の現状
森林総蓄積は約1.2億㎥と全国の2.2%を占めており、天然林が2,815万㎥(広葉樹約66%)、人工林が9,566万㎥(針葉樹99%)となっています。森林総蓄積のうちの人工林の蓄積量は77%を占めているため、全国と比較して人工林率が高いことがわかります。(全国平均は64%)
人工林の齢級構成は、41年以上(9齢級以上)が約9割を占めており、大径木が多くほとんどの木が伐採期を迎えています。
素材生産
静岡県|素材生産
全体の素材生産量は33万㎥で蓄積量の0.3%を利用している現状があります。樹種別生産量比較としてはスギが47%、ヒノキが50%となり、用途別生産量では製材用が58%、合板が36%、木質チップが7%となります。
木材流通
静岡県|木材流通
2012年度以前は、生産量の8割以上を県の森林組合連合会共販所へ出荷していました。それ以降はチップ工場、MDF、合板工場など需要先のニーズに応じた直送を増やすようにしています。これにより流通手間の削減が達成されました。
木材の利用促進
静岡県|木材の利用促進
・県のHPに「しずおか木使いネット」を開設し、県産材の利用事例や県産材住宅の紹介などを掲載しています。
・静岡県木材協同組合連合会では「しずおか優良木材」の認定制度の実施やJAS構造材利用に関する支援事業の説明会を行っています。

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