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2024.3.11
インテリアに唯一無二の存在感をもたらす木材として「変木」があります。
変木はその名の通り「変わった形をした木」のことを指し、他にはない個性的な造形が魅力です。
今回は、変木の用途や主に使われる樹種など、変木の魅力について解説します。
変木と並んで使われることの多い自然木の種類についても、あわせて紹介します。
目次
変木とは、樹皮をむかずに自然の姿そのままを楽しむ木材のことを指します。
山に生えているそのままの姿を楽しむ木材のため、曲がっていたり枝がついていたりしても、そのまま木材として使います。
同じ樹種でも形も色も異なり、個性的なのが特徴の一つと言えるでしょう。
木材として使用することで、空間に自然の素朴な味わいを出せることが魅力です。
その個性を生かし、古くから茶室や数寄屋建築の床柱、飾り柱などで使われてきました。
ここでは、変木がどのような用途で使われるのか解説します。
変木が使われるのは、主に次のような用途です。
ひとつずつ見ていきましょう。
変木は、立木の姿を生かして床柱や飾り柱として使われます。
床柱は、和室にある床の間に使われる化粧柱を指します。
床の間は来賓をもてなすことが主な役割であるため、意匠的で見た目の美しい材が使われることが多い場所です。
変木を使うことで、木そのものの立ち姿を生かした唯一無二の床柱になることから、使用頻度の高い部分と言えるでしょう。
また、最近では家の西洋化に伴って、飾り柱として使われることも多くなっています。
飾り柱とは、構造的な柱ではなく、インテリアのアクセントや視覚的な間仕切り代わりに造られるものです。
個性的な変木を使用することで、インテリアの雰囲気に合わせた「見せる柱」を造れるのが魅力と言えるでしょう。
変木の板とは、木の幹の部分を輪切りにしたり縦に切ったりして、板状に加工したものを指します。
一つひとつ形が違うため、他にはないデザインが魅力です。
形がさまざまであることに加え、木目の個性が際立つのも特徴と言えます。
主にテーブルやカウンターなどの天板として使用すると、個性的で他にはないデザインになります。
天板以外では、玄関の式台として使われたり、インテリアのアクセントとして壁に貼ったりという使い方も可能です。
変木の変わった形を生かして、そのままオブジェとしても使われることもあります。
節や曲がり、虫食い跡、根の部分まで生かせるのが魅力の一つです。
また、風雨や天日にさらされた姿や枯れ木なども自然木としての味わいになり、オブジェとしての存在感をもたらします。
他の素材と組み合わせたり、花や緑と一緒に飾ったり、形と大きさも飾り方も自由に選べるのが魅力と言えるでしょう。
ここでは、変木として生産されることの多い樹種について解説します。
主に、次のような樹種が変木として販売されています。
むろはネズミサシやネズとも呼ばれるヒノキ科の針葉樹です。
日当たりのよいやせた土地で生育するため生長が遅く、100年ほどたってもあまり太くならないのが特徴です。
木材としては、硬くて緻密な特徴を持ちます。
建築材として装飾的な部分や土台などに使用される他、土木用材、船舶材としても使用されてきました。
成長するにつれ、幹が白と茶色が混じり合ったような複雑な色合いとなり、同じ樹種であってもまったく表情が違う個体となるのが魅力と言えるでしょう。
ねじれたような特徴的な見た目のまま、立木の姿を生かした変木として使われることが多い樹種です。
赤松は本州北部から屋久島までの広い範囲の、海から離れた地域に分布しています。
季節によって作られる細胞が違うため、年輪がはっきりしているのが特徴です。
変木として使われるのは、自然林の密生した林で生育する自然木です。
そのため、生産量が少なく、希少性が高いと言われています。
皮付き丸太に仕上げられた変木は、古くから茶室の床柱に多く使われてきました。
床柱としては、最も人気があり、定番となっている木材とも言えます。
地方によって良母(リョウボ)または令法(リョウブ)とも呼ばれ、サルスベリと同じように皮付きでも滑らかな質感が特徴です。
また、表面が赤茶色で光沢があるのも特徴となっています。
木材としては、木肌が滑らかで荒々しさがないことから、質素でありながら個性的な変木です。
主に茶室の床柱や数寄屋の飾り柱として使われることの多い樹種です。
変木として扱われる桜皮付き丸太は、名前の通り、桜を皮付きのまま自然の状態で仕上げた木材です。
幹の濃い茶色と桜の木目が特徴で、趣のある木材となります。
天然の桜皮付き丸太は生産量が少なく、希少な変木です。
そのため、スギの丸太に桜の皮を貼り付けた「桜貼丸太(さくらはりまるた)」が代用されることもあります。
古くから床柱などに利用されていて、現在、飾り柱や壁止めなど、インテリアのアクセントに使われることも多い樹種です。
春に白い花を咲かせる「こぶし」は、植物としては「辛夷」の字が使われますが、変木としては「香節」という漢字が使われます。
香の字が使われていることからも分かるように、ほのかな香りが特徴の変木です。
表面は灰色の皮で覆われ、皮付きのまま仕上げられると、模様が美しく独特の雰囲気となるのが魅力です。
ただし伐採の時期を誤ると、表面の皮がはがれてしまうため、生産時に注意が必要な樹種でもあります。
ここからは、変木と比較されることの多い自然木を生かした木材を紹介します。
変木と並んで使われることの多い自然木には、次のようなものがあります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
磨き丸太(みがきまるた)は、樹皮をはいで磨きをかけて造られる木材です。
表面が滑らかで光沢のある美しい木肌になるのが特徴です。
自然木から造られる変木とは違い、磨き丸太は人工林で育った木、それも何十年もかけて育成された木から作られます。
見せる木材として生産されるため、床柱や飾り柱など、目立つ場所で使われることが多い木材です。
絞り丸太(しぼりまるた)は樹皮をはいでから、表面のでこぼこが目立つように仕上げられた木材のことを指します。
表面には「シボ」と呼ばれる、でこぼこ状の浅い溝があるのが特徴です。
天然木も、人工林で育った木も、どちらも絞り丸太の材料として使われ、シボの付き方に違いが出ます。
天然木を使用した絞り丸太は、もともとついているシボが不規則です。
一方、人工林で生産された木材を使用するときは、木材の表面に細い木を固定して人工的にシボを付けるため、シボが規則的になっています。
錆丸太(さびまるた)は、樹皮をはいでから「サビ」とよばれるカビの一種を付けて仕上げる木材です。
黒褐色の斑点のような「サビ」が付くのが特徴となっています。
太さによって床柱だけでなく、桁、化粧垂木、間柱などに利用されています。
変木とは、樹皮をむかずに自然の状態を鑑賞できるよう仕上げられた木材のことを指します。
古くから和室の床の間をかざる床柱や飾り柱などで使われてきました。
最近では輪切りにしたり縦に切ったりした板材を、テーブルやカウンターの一点ものの天板として使うのも人気です。その他、独特の形を生かして、オブジェとしても利用されることも多い木材です。
変木などの自然木は、室内の雰囲気で樹種や仕上げを選ぶと、個性的なインテリアに仕上がるのが魅力です。インテリアのアクセントに変木などの自然木を取り入れるのはいかがでしょうか。
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