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2023.4.14
「木造住宅に長く快適に暮らしたい」
「木に囲まれた暮らしをしたいけど、耐久性が心配」
「DIYで作品に使用できる耐久性の高い木材を知りたい」
上記のような要望や疑問をお持ちではないでしょうか?
本記事では
をご紹介します。
古くから人間と共に生きてきた天然素材であり、温かみを感じられる「木材」と長く付き合っていくための方法を学んでいきましょう。
目次
木材の耐久性を考える前に、そもそも木材が劣化してしまう原因について考えてみましょう。木材を劣化させる原因は大きく分けて下記の3つです。
それぞれ紹介していきます。
木材を構成する成分は下記の3つです。
太陽光に含まれる「紫外線」にはリグニンを分解する作用があり、長期間屋外に放置し、紫外線と雨風にさらされることにより、耐久性が落ちていきます。さらに、紫外線は同時に着色成分も分解するため、表面が次第に色あせ、灰白色になる「銀化」が発生します。
住宅の外壁やウッドデッキなどは、紫外線劣化により耐久性と外見どちらも悪くなるため、耐久性を落とさない対策が必要です。
参考:木材の劣化を防ぐには -原木・製材・製品等保管時の注意点-|長野県林業総合センター
「木材腐朽菌」は、その名の通り、木材を腐らせる菌です。木材の耐久性を悪化させる菌は、下記2種類です。
褐色腐朽菌は、住宅の建材としてよく使用される針葉樹を好み、セルロースとヘミセルロースを分解します。木材を褐色へ変化させ、亀裂などを生じさせます。
白色腐朽菌は、木材の主成分とされるセルロース、ヘミセルロース、リグニンを全て分解します。主に広葉樹を好みます。木材を白色にさせ、さらに腐朽が進むと表面は繊維状にほつれ、小さな穴がいくつも開くようになります。
参考:住まいの腐朽菌と対策 | 一般財団法人 住宅金融普及協会
シロアリやキクイムシなどの昆虫も木材の耐久性に大きな影響を与えます。シロアリやキクイムシなどの昆虫類は、体内に住む共生生物の働きによって、セルロースを分解し栄養にすることができます。
シロアリに食べられた木材は、中身がスカスカになるため、強度を失います。
特に屋根裏や床下に被害が及んだ場合、住宅の耐震性が著しく損なわれるため、木材の補強や交換が必要になります。シロアリやキクイムシは木材腐朽菌と違い、湿った木材だけでなく乾燥した木材も食し、被害を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
木材や住まいを劣化させてしまう様々な原因から木材を守るには、主に3つの方法が効果的です。
一つずつ解説していきます。
木材劣化の多くは、紫外線や害虫などの外的要因です。そのため、木材保護塗料の対象となる木材の表面に塗布し表面を覆うことで、耐久性を維持することができます。
塗料には多くの種類があり、防虫・防腐・防カビの効力を持たせるものや木材を美しい状態に保ちながら、木材腐朽菌やシロアリなどの昆虫からの保護をしてくれるものもあります。
状態や用途によって最適な塗料を使用しましょう。
木材腐朽菌はある程度温度が高く湿った環境を好みます。そのため、浴室や台所といった水回りはもちろん、通気や換気がしにくく地面からの蒸発により湿度が高くなりやすい床下も発生しやすい場所です。
ただ、上記以外の場所でも、水漏れや雨漏り、結露によって水分が木材に付着してしまうこともあるため、定期的な点検を行うとともに、換気をしやすい構造にすることも重要です。
また、きちんとした防腐処理を行うことでさらに木材の耐久性を維持できます。
防腐処理における薬剤の使用方法には、下記のようなものがあります。
現場で処理するものは防腐剤の塗布、吹付による方法、工場処理による防腐・防蟻処理には加圧注入や浸漬と分けられています。
参考:住まいの腐朽菌と対策 | 一般財団法人 住宅金融普及協会
主にシロアリやキクイムシなどの昆虫に有効な方法です。腐朽菌と類似していますが、シロアリやキクイムシなども暗く湿っている環境を好みます。
床下への点検口を作り、定期的な床下点検をおこないましょう。
加えて、シロアリはセルロース分解能力をもっており、新聞紙や段ボールも餌にする可能性があるため、木造でなくても家にすみついてしまう可能性もあります。そのため木材に防蟻処理を行うことでそれらを防ぐことができます。
また、防腐と防蟻の両方を兼ね備えている薬剤もあるため、使用方法や用途を確認して、最適なものを選びましょう。
具体的に防腐防蟻の処理を検討している方は、下の記事もご覧ください。
木材を守る様々な対策と同時に、どのような木材を使うかもとても大切です。私たち動物は外敵から逃げて身を守れますが、樹木は動けないため、自らの体内に特有の化学物質を蓄え、菌類、昆虫などの外敵から身を守っています。
そして、その木材が蓄えている化学物質の中に、腐敗を抑制したり、耐久性を維持したりするための成分が含まれています。
これらの物質は樹種によってそれぞれ異なるため、木材のことをよく理解し、木材がもともと持つ能力を最大限活用することが重要です。
ヒノキは、福島県東南部以南の本州、四国、九州に広く分布し、木曽ヒノキなどに代表される日本の代表的な造林樹種です。
心材の色は淡紅色で、辺材はほとんど白色に近く、大変見た目の美しい木材です。ヒノキは独特な香りを持つ「ヒノキチオール」と呼ばれる成分を含有しています。
ヒノキチオールは、抗菌作用を持っており「桧風呂」に代表されるように水回りでも使用されています。また、木材の耐久性を表す指標である気乾比重は0.34〜0.54で比較的軽い木材です。
北海道南部、本州、四国、九州と広く分布しており、建築の材料としてはもちろんのこと、実を食用として採取するために広く植樹されていました。
特に福島県、宮城県、岩手県、島根県などに蓄積が多いとされています。
気乾比重は0.44〜0.78です。ヒノキやヒバといった針葉樹と比べると比重が重く、心材の耐久性の高さや水に強いことから建築だけでなく土木の分野にも使われてきました。
日本の北海道と沖縄以外に広く分布しており、公園の樹木や街路樹としても目にすることのある身近な樹木です。
年輪がはっきりと見え、木材表面は光沢を有しています。独特の杢目が現れることから、化粧材としての高い価値を有し、和風建築や高級家具などに好んで用いられます。
気乾比重は0.47〜0.84です。心材の耐久性が高く、かつては電柱や腕木などにも使われました。
ウリンはインドネシア、マレーシア原産のクスノキ科の広葉樹です。「鉄の様に強い」ということから別名アイアンウッドとも呼ばれています。
含有されているポリフェノールが強い抗菌作用を示すことから、屋外で使用しても100年以上もつと言われ、現地では水上家屋の土台、桟橋などにも利用されています。
長らく輸出が禁止されていましたが、1996年に日本に輸入できるようになってからは、我が国でも港や桟橋、ウッドデッキなどの公共工事でも多く利用されてきました。
気乾比重は0.92〜1.04と木材の中でも非常に重く固い部類に入ります。
ウリンについて詳しく知りたい方は、下の記事もご覧ください。
木材は天然素材であり、湿気や雨風によって劣化してしまいます。
そのため、長期間使用するためには、耐久性を維持する工夫や防腐処理を施すことが重要になってきます。住宅やDIY作品など木材とともに暮らしていくには、愛着を持ち長く使い続けられる工夫も必要です。
eTREEではプロの木材コーディネーターが、あらゆる木材の調達や加工をサポートします。木材の耐久性についてお困りの方はぜひご相談ください。
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