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2023.1.19
「世界一重い木材は?」
「DIYに使える重くて丈夫な木材はどのようなものがある?」
DIYを趣味としている方の中で上記の疑問をお持ちではありませんか?
そこで、本記事では
について解説します。
DIYで重くて丈夫な作品を作成したい方はぜひ参考にしてください。
目次
木材も無数の木材細胞の塊で、一つ一つの細胞が全体の重さになります。木の細胞の中には「セルロース」とよばれる木材の繊維を構成する成分や「空気」が含まれており、樹種や細胞壁の厚みの違いによって、含まれているセルロースと空気の割合は変化します。
そして、木によって変化する重さをわかりやすく数値化したものを「気乾比重」といいます。気乾比重は、乾燥木材の重さと同じ体積の水の重さを比較した値で、数値が大きいほど重く、小さいほど軽くなります。
木の強度は、節や切れ目など欠点の程度によって変わり、同じ樹種でも、寸法や木取りによっても変化します。ただし、欠点が同程度だと仮定すると、木の強さは比重にほぼ比例します。密度が大きいものほど、細胞の中に含まれるセルロースの量が増加するため高強度です。ちなみに木の腐りにくさである「耐朽性」は、含まれる精油成分の種類と量に影響されます。
また、セルロースは非常に優れた材料特性を持っており、次世代型の素材として注目を集めております。
詳しい内容はこちら
▷セルロースナノファイバーとは|デメリットや用途について解説
世界で一番重い木材とされているのは、ハマビシ科ユソウボク属の広葉樹「リグナムバイタ」で、気乾比重が1.28と高密度です。市場に流通される中で「最も硬く重い木材」と言われており、重さだけでなく硬度もかなり高く、金属用の機械で加工されています。
重さや硬さだけでなく、シロアリの影響や腐敗にも強く、高い耐久性を誇ります。ただし、成長が遅く、大木になるまで時間がかかりすぎるため、市場に出回る量はほとんどありません。
希少性が高く、高価な木材です。
リグナムバイタを除き家具や農具など作るために流通している木材の中でも重いものを紹介します。ぜひ参考にしてください。※今回は、気乾比重で評価したものになります。
ヤエヤマコクタンはカキノキ科カキノキ属の常緑高木です。常緑高木とは、一年中緑の葉をつける常緑樹の内、高い木の事を指します。樹高は5m〜10m程度で樹皮は黒灰色で、水に沈む程重く気乾比重は0.74〜1.21です。
別名「リュウキュウコクタン」と呼ばれ、主に奄美大島から沖縄の山に分布しています。沖縄近辺で分布しているため、楽器「三線」に使用されたり、家具材、床の柱などに使われたりしています。
環境省では、現時点で絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によって絶滅危惧に移行する可能性のある種として登録されており、数が少なくなりつつある樹種です。
イスノキは、本州、関東南部、四国、九州など全土に分布している、マンサク科イスノキ属の常緑高木で、気乾比重は0.75〜1.02です。
樹高は15m以上、直径1mを超えカシ類と混ざって照葉樹林を構成することも多く、少し赤色がかった幹と独特の模様を持っています。
国産材の中でも硬さは随一で、くぎも打ち込みにくいともされ硬さが必要になる建築材、木刀、数珠玉などに使用されています。また、葉や実に虫コブというコブを作る樹種であることも特徴的で、それに関する研究報告などもあります。
ウバメガシはブナ科コナラ属の広葉樹です。気乾比重は多くが0.99で、1を超えるものも存在しています。硬さを活かした特別な用途はありますが、巨木になりにくいため小器具に使用されており、一般的な木材とはいえません。
用途としては、かじのような船具、農具などに使われていました。そんなウバメガシの真骨頂は、薪炭材にあります。和歌山県で作られるウバメガシを素材とした薪炭は「備長炭」と呼ばれ、炭の中でも最も火力が強く持続性があるとされています。
オノオレカンバはカバノキ科の落葉高木で、気乾比重は0.84〜0.99です。落葉高木とは、葉の寿命が一年未満で、全ての葉を失って休眠状態に入る時期を持つ樹種のことです。中部地方以北の本州に分布しており、岩の多い産地や岩壁に生息しています。
材が硬すぎて切る時におのが折れるほどだということから「オノオレ」という名前がつけられたとされています。硬さを活かして、印鑑、箸、そろばん玉などに使用されてきました。
重い木材を紹介してきましたが、ヤエヤマコクタンやイスノキなどは流通量も少なく、高価になりがちです。しかし、DIY初心者や加工が難しい作品を製作する際、ミスの可能性を考えると高価な木材の使用は大きなリスクとなってしまいます。
そこでこの章では、DIYを気軽に楽しく行えるように手軽に手に入れられる比較的重い木材を紹介します。
ブナは、北海道南部から本州、四国、九州に分布している落葉広葉樹で、気乾比重は0.63です。現在は用材として使われることも多いブナも、昔は良質材とは言われておらず、使用頻度が少ない木材でした。
しかし、蓄積量が多いため利用技術の開発が精力的に進められた結果、家具として使用されることが多くなりました。また、加工のしやすさから器具、合板、靴型など多くの場所で使用されています。比較的加工しやすい木材ですが、乾燥によって狂いが出やすいため注意が必要です。
ケヤキは、本州、四国、九州と広く分布している落葉広葉樹で、気乾比重は、0.47〜0.69です。比較的目に触れやすく、東京都内では並木として植樹されていることも多い木です。大きく成長した木には「コブ」が発生することもあります。
コブの影響によって木材の中の繊維が不規則に変化し、いろいろな形の木目が生まれます。その複雑な木目は希少性が高く高値で取引されますが、一般的には家具、臼やきね、寺社の装飾部材など日常でよく見るものに用いられます。
ナラは、北海道、本州、四国 九州など多くの地域に分布している落葉広葉樹で、気乾比重は0.67です。ナラ材は欧米諸国でも使用されており、フランスのルーブル美術館に展示されている家具の中には、ナラが使用されているものがあります。
放射組織が幅広く高いので帯状の模様がきれいに現われ、家具に用いた時に見た目に美しい点が大きな魅力です。重厚で加工には手間がかかりますが、比較的耐久性もあるため、長期間使いたい作品にも使用できます。
今回紹介した木材の中には、重いことに加えて木目の美しさから家具作りに使用されてきたものもあります。また、重い木材は、単に重いだけでなく硬度も高いため、椅子や机など長期間使用するようなDIY作品を製作する際におすすめです。
ヤエヤマコクタンやイスノキなどホームセンターではあまり販売されていないような硬い木材も、DIYスキルが上がった際には、ぜひ使用してみたい代物です。
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