共催セミナー
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記事公開:2022.10.2
2022年6月16日
東京(森未来セミナールーム)
6月16日(木)19時~
アトリエフルカワ一級建築士事務所/森未来共催「森と建築を考える」第二回セミナーを開催しました。
第二回のテーマは、「素材生産」。
素材生産とは、(樹木)を伐採して素材(丸太)に加工し、決められた場所に運搬・集積するまでの工程を言います。
林業と聞いて思い浮かぶのはこの素材生産ですね!
各地の代表的な林業の事例を見ながら、生産技術や問題点について考えました。
印象に残ったのは、
高樹齢で手入れをされてきたスペシャルな木を伐採して高く売るのと、
建築に使われるような若い木を大量に伐採して売るのでは、同じ林業でも全く違う話ということでした。
鳥取県智頭町の例では、ひいおじいちゃんが植えた200年生の杉の木をひ孫がチェーンソー伐るという話が出てきました。そこに流れている時の長さも驚きですが、一本あたりの値段も驚きの価格になるとのこと(!)
講義では、実際に大径木を切り倒す様子を動画で見たり、一方で高機能林業機械で若い木を大量に伐る写真を見比べることで、同じ林業でも使う機械や運搬方法、売り先までまるで違うということが良くイメージできました。
建築などで使われる杉丸太の並材の価格はどんどん下がっています。ウッドショックの影響で直近の価格は1万5千円程度に上がっていますが、それ以前は約1万円/㎥で取引されており、市場などの手数料を引くと林業家には数千円しか入らないと言われています。これでは、再造林も行えず持続可能な素材生産は成り立ちません。
実際に日本の再造林率は3割程度ということですからかなり深刻ですね。
この状況をどのように考えるのか、単価を上げるにはどうしたらよいかは講義中に様々な意見がでました。
現在、針葉樹の丸太は長さ4mにして出荷するのが一般的のようですが、市場がどんな木材を求めているか、長さはどれくらいにしたら歩留まりがいいのかをしっかりと考えて、少しでも単価を上げて販売する。そのような努力は少なからず必要になってきそうです。
簡単ですがレポートは以上です。
ここでは生産者側の話をメインにしましたが、実際は買い手側もその丸太をいくらで買うのかをしっかり考えるべきだと感じました。
マイホームを建てる際、自分の家にはどのくらいの木が使われていて、利益はしっかり森林に還元されているのか。より多くの人が意識できるようになると良いなと思った講義でした。
次回、第三回のテーマは「製材」
丸太の価値を高めるのが製材です。合理的な生産でコストを下げることで丸太の価値を上げることもできますし、製材の木取りの仕方次第でも丸太の価値は変わってきます。製材という観点から木の価値のありかたについて考えます。
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