森の未来会議
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記事公開:2022.11.4
2022年8月04日
オンライン開催
8月4日(木)19時~
森の未来会議-Vol.12 「地方の工務店はなぜ「FSC®プロジェクト認証」を始めたのか」を開催しました。
※プロジェクト認証とは・・・全体あるいは部分的にFSC認証材で作られた建物あるいは空間そのものを認証する制度です。
ゲストには、モデルハウスで日本初のFSCプロジェクト認証を取得した株式会社エコ建築考房の喜多茂樹様(代表取締役)と、同社に東白川村のFSC認証材を供給する株式会社山共の田口様(代表取締役)をお招きしました。
講演では、ゲストのエコ建築考房・喜多様、山共・田口様、共催者のFSCジャパン・河野様にトークセッションいただき、プロジェクト認証取得までの経緯、認証取得によるメリット・デメリット、プロジェクト認証に関する今後の展望をお伺いしました。
プロジェクト認証取得までの経緯について、講演では2つの事例をご紹介いただきました。一つはモデルハウスの事例です。認証取得を考えるきっかけは、サプライチェーンの存在だったそうです。本事例で、柱、土台、梁、桁などの認証木材を供給された山共さんと地元・東白川村は、地元木材の付加価値向上のため、遡ること2003年にFSC認証取得に取り組まれました。そういった背景のもと、エコ建築考房さんは今後世の中の変化に対応して認証木材がルールになるのではないかと予測し、認証取得に取り組むと決断されたそうです。
また二つ目の事例として、「海をまもるコインランドリー」をご紹介いただきました。環境に配慮したコンセプトなのだから建物もちゃんとしたい。そんなオーナー様のご要望を受け、店舗の建築を任されることに。オーナー様の負担が増えてしまう分、店舗のブランディングへつながればと認証取得へ取り組まれたそうです。
また、プロジェクト認証を取得するメリット・デメリットについても伺いました。メリットとしては、先行したことによりメディアから高い注目を浴びたこと、人脈が広がったことなど。特に環境意識が高い企業からの反応があったそうです。デメリットとしては、FSC認証を取得していても一般のお客様からの反応が薄く一時的であったこと。また、認証を維持していくためのコストや労力などが挙げられました。
今後の課題・展望については、認証材の普及が課題の一つとして挙げられました。解決策としては、企業が意識を高くもってそれを社会がバックアップしていくこと、森林認証を広く認識してもらうために一般の方向けに間口を広げることが考えられるそうです。また、認証材の市場をつくっていくためには、地元の環境意識の高い方とのネットワークが重要であり、今後市場を作っていくために、足並みをそろえていく必要があるようです。
今後も林業に関わる方々をゲストにお招きし、これからの林業について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
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