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2023.9.26
DIYで使うなら、安い木材を手に入れる方法を知っておいて損はありません。性別・年齢を問わず人気のDIYですが、材料や道具に意外とお金がかかるもの。一つ一つは少額でも、積み重なると思ったよりも大きな金額だった、という経験はないでしょうか。
今回は、手頃な価格で買える木材の情報をまとめました。中には、無料でもらえるパターンもあります。なるべく出費を抑えてDIYを楽しみたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
需給バランスや為替、社会情勢などは、木材の価格に大きく影響を与えます。新型コロナウィルス流行を発端に、木材価格が高騰した「ウッドショック」もその一例といえます。
一方で、次に挙げる木材の品質要素も、価格の傾向を決める重要な要因です。
木材を手頃な価格で調達するために、それぞれの要素が価格に与える一般的な傾向を理解しておきましょう。
樹種によって、木材の価格帯は異なります。樹木は、針のような形の葉をもつ針葉樹と、平べったい形の葉を持つ広葉樹に分かれます。大まかな傾向として、針葉樹は価格が安いものが多く、広葉樹は高価になりがちです。
世界三大銘木に数えられ、家具材や内装材として人気の高級樹種、ウォールナットとチークも広葉樹です。ただ、広葉樹は重くて硬いので、加工の難易度は上がります。
一方で、杉や桧、パインなどの針葉樹は価格が手頃な上に、材質が軽くて軟らかいので加工しやすいというメリットがあります。価格・加工性の両面から、DIYには針葉樹がおすすめです。
一見すると同じような市販の木材も、無垢材や集成材、合板など、それぞれ構造が異なります。無垢材と比べると、集成材や合板など加工材は、一般的に価格が手頃です。
伐採した木からそのまま切り出した無垢材に対して、集成材は複数のひき板を、合板は薄くスライスした単板を、接着剤でくっつけて角柱や板状に成型しています。小径木や部分的に欠点のある木でも材料にできるので、価格を抑えられるのです。
加工材は、寸法安定性が高い、品質が均一など、無垢材の欠点をカバーした木材なので、特に初心者には扱いやすいといえます。
節の有無も価格に影響を与えます。通常は、節がある木材の方が価格が安くなります。節がないのは丸太の中心部分なので取れる量が限られる一方、節ありの材は、比較的取れる量が多いので価格が抑えられるのです。
ただし、木材らしさを感じられるという理由で節ありを選ぶ人もいます。節の部分の欠けや穴の補修が必要なほどでなければ、好みで選んでも問題ないでしょう。
製材直後のザラザラした木材の表面を、手触り・見た目をよくするために整えることを、仕上げといいます。仕上げには、整える細かさによって段階があります。
仕上げ | 道具 | 特徴・状態 |
---|---|---|
プレナー仕上げ | プレーナー(自動カンナ) | 製材時の鋸刃(のこば)を平滑に整える |
サンダー仕上げ | サンドペーパー | プレナー仕上げの刃物跡を取るマットでさらりとした感触 |
超仕上げ | かんな | 鏡面上に仕上げる美しいツヤが出る |
表の下ほど丁寧な仕上げのため、価格も高くなりますが、自分で整える手間が省けますし、ささくれなどがなく扱いやすい、というメリットもあります。人が直接触れるのか、見えない場所で使うのかなど、用途によって選びましょう。
通常、同じ材でもサイズが大きくなれば価格は高くなります。小物を作るよりも大きなテーブルを作る方が、材料費がかさむでしょう。木材の通販では、長さ・奥行き・厚さの数値を入力すると、瞬時に見積額が提示される仕様の店も多いので、簡単に比較検討できます。
なお、大量生産されている規格品は、安く手に入ります。規格品より小さいサイズが必要なら、規格外サイズをオーダーするよりも、規格品を購入してカットする方が価格が安くなる場合もあるので覚えておきましょう。
ここからは、個人でも手に入れやすい、おすすめの安い木材を4つを紹介します。
ホームセンターや通販で購入できるものばかりなので、DIYに活用してみてください。
SPFとは、主に北米原産の樹木であるスプルース(Spruce/トウヒ)、パイン(Pine/マツ)、ファー(Fir/モミ)の頭文字をとった言葉です。SPF材は、単一の樹種ではなく3種類の混合材を指します。
建築材料として規格化された、2×材(ツーバイ材)や1×材(ワンバイ材)の主な材料がSPF材です。SPF材というと、ツーバイ材やワンバイ材を指すこともあります。
SPF材の3樹種は成長が早い上、ツーバイ材・ワンバイ材は規格化されて大量に流通しているので、とても安価です。また、たいていのホームセンターで売っていて、容易に入手できる点や加工性に優れる点も魅力です。
パイン材は、東南アジアやニュージーランドなどで採れるマツ科の木材で、メルクシパインやラジアータパインなどの種類があります。手頃な価格の集成材が豊富に販売されていて、ホームセンターでもよく目にすることでしょう。
軽くて軟らかい材質は加工しやすい一方で、傷がつきやすいのでテーブルの天板など硬さが必要な用途には向いていません。軽さを活かして棚板などに使うのがおすすめです。使い込むとツヤのある飴色になる特徴があり、経年変化を楽しめます。
参考:おすすめ木材、おしゃれで人気のパイン集成材のアイデアご紹介|材木商店
桧と並び国産材を代表する杉は、国内人工林の主役であり、価格も安価で安定しています。節ありなら、無垢材の中でも最も安い部類に入り、集成材ならさらにお手頃な値段で購入できます。
日本人には馴染みがある、はっきりした木目と赤身と白太の鮮やかなコントラストが特徴的です。軽くて扱いやすいので、大型の家具などを作る際に重宝するでしょう。
昨今は、国内森林資源の有効活用を目的に、国産材であることに価値を見出すニーズも存在します。
参考:人気の樹種をご紹介します「杉」|MARUTOKU SHOP
今回紹介している4つの木材の中で、唯一の広葉樹がゴムの木です。天然ゴムの材料である樹液を採取するために、南米や東南アジアに植樹されており、樹液が出なくなると、主に集成材として再利用されます。流通量が多いため、広葉樹のわりに手頃な価格が特徴です。価格を重視すると針葉樹にかたよりがちな選択肢の中で、貴重な存在といえます。
広葉樹ならではの強度を持ち合わせており、机の天板にも最適です。強度と価格を両立した、コストパフォーマンスに優れた木材といえるでしょう。
ホームセンターや通販で買う以外に、無料で木材をもらえるパターンもあります。購入と違い、サイズや樹種を選ぶのは難しいと思われますが、掘り出し物が見つかるかもしれません。
多種多様なものが取引されているの地元掲示板には、木材も出品されています。「木材 無料」などのキーワードで検索すると、家のリフォームや解体で出た木材、切った庭木などが見つかります。引き取り希望の場合が多いようですが、条件が合えば利用してみるといいでしょう。
木材店や製材所の中には、加工の過程で出た不要な端材を、無料で分けてくれるところもあります。直接訪ねて引き取るパターンや、遠方でも送料を払えば送ってくれる場合など、店によって渡し方はさまざまです。
近くに木材店があるなら、端材を分けてもらえないか尋ねてみるのも手です。インターネットなどで端材を譲ると公表していなくても、応じてもらえる可能性がありますよ。
家屋の建築現場や解体現場では、たいてい使わない木材が出るものです。譲ってもらえないか、現場の方に声をかけてみるのも手です。その際は、安全に十分注意し、現場に無断で立ち入ったり、作業の邪魔をしたりしないように気をつけましょう。挨拶やお礼など、最低限のマナーを守ることも忘れずに。
手頃な木材を効率よく購入するためには、価格に関する大まかな傾向を知っておくと便利です。
一方、天然物である木材は、それぞれ性質や特徴が大きく異なります。価格だけに注目していると、用途に合わない木材を選ぶことになりかねません。価格を重視しつつも、目的に合った木材の見極めも大切にしましょう。
木材はかしこく調達して、より満足できるDIYを楽しんでください。
森未来は木材情報を集約したプラットフォーム「eTREE」を展開しています。プロの木材コーディネーターが、あらゆる木材の調達や加工をサポートします。木材の調達・加工にお困りであればぜひご相談ください。
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