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2022.12.26
DIYが流行している中「自分の手でウッドデッキを作りたい」、そう考える方は多いのではないでしょうか。最近では、ホームセンターでもさまざまな木材が手に入り、ネットや動画サイトでも作り方が紹介されていますので、その気になれば誰でも作ることができます。
とはいえ、適した材料を使わないと数年で劣化してしまうこともあるので、特に木材選びには注意が必要です。この記事ではウッドデッキを作る際に選ぶべき、水に強い木材について解説します。
ウッドデッキを作る場合、屋外で風雨にさらされることを想定し、水に強い木材を選ぶ必要があります。水に強い木材とは、タンニンや脂分を含むことで水をはじきやすく、繊維が密に詰まっていて水が浸入しにくい性質を持つ木材です。また、腐朽菌を寄せ付けない成分を持つ木材であれば、長年の使用でも腐りにくくなります。
水に関わる場所で使う木製品として、古くから造られているもののひとつに船があります。日本でも縄文時代から木をくりぬいた木造船が造られていました。当時の船に使用されていたのは、太平洋側でカヤ、日本海側でスギが主な木材でした。
平安時代から戦国時代にかけては使えなくなった船の廃材が井戸枠へ再利用されるなど、水に強い木材は古くから知られていました。
参考:機関誌「水の文化」54号
多くの日本人から愛されるヒノキの浴室も、水回りで使われる木材の代表的な例と言えるでしょう。ヒノキやスギなどの針葉樹から発せられるα−ピネンの成分でリラックス効果が高まるのは有名ですが、その香りには、木を腐らせる虫や細菌を避ける効果があります。
木のリラックス効果については、以下の記事でも紹介しているのでご参考ください。
屋外に設置するウッドデッキでも天然木が人気です。その理由は、木そのものが持つ風合いや柔らかな足触りを好む方が多いからです。天然木は美しい木目や質感を味わえるうえ、長年使用することで色が変化する様子も楽しめます。
天然木のウッドデッキを長く楽しむには、耐水性と耐久性を兼ね備えた木材を選び、こまめな掃除と1、2年ごとのメンテナンスで腐食を防ぐことが重要です。
水に強い木は屋外だけでなく、屋内のキッチン回りにも使われることがあります。まな板に使われるヒノキやヒバなどは抗菌の成分を多く含み、特にヒバは広葉樹ならではの硬くて密度の高い木材であることから、水に強い性質を持つと言えるでしょう。
ウイスキーの酒樽に使われていることでも有名なナラも広葉樹で耐水性に優れているため、キッチン回りのアイテムや床材などに使われています。またスギなどの軟質の針葉樹材などは、圧密させることにより、表面に硬化性および水分に対する寸法安定性を付与し、水回りでも使用できるようにした製品もあ登場しています。
参考:圧密材特集
水に強い木材は、腐りにくい木材と言い換えることもできます。木が腐るのは木材腐朽菌が木の骨格となるセルロースやリグニン、ヘミセルロースといった木材主要構成成分を分解してしまうことが原因と言われています。木材腐朽菌に抵抗力のある、ポリフェノールやタンニンなどの成分を多く含む木材は腐りにくい木と言えるでしょう。
木材腐朽菌は、JIS規格においてオオウズラタケやカワラタケが供試菌として定められており、しばしば日本を代表する腐朽菌として取り上げられます。これら菌に対しては、αカジノールやヒノキオールとよばれる成分が木材腐朽に耐性を持っており、両者は独特の香りを形成する成分でもあります。
また、木材腐朽菌は伝統的に、リグニンの分解の仕方によって以下の3つに区別されます。
水に強い木材は、水分が多い場所に長時間置かれても腐りにくい性質を持ちます。耐腐朽性をもつ木は、温暖で一年中多湿な環境で生育します。日本では九州や四国、紀伊半島などが該当し、これらの地域はヒノキの産地としても名高い場所です。ヒノキ以外でも同様の環境で育つヒバ、カヤ、コウヤマキ、ツガ、カラマツ、クロマツ、クリなどは、水湿に耐える木材となります。
参考:(株)ハンズマン
水に強い木材は水湿に耐えるものだけでなく、乾燥と多湿の変化に耐える木材であることも重要です。特にウッドデッキなど常に風雨にさらされる屋外に設置するものは、耐候性があるかどうかの判断が重要な要素となります。乾湿の変化に耐性のある木材は、ヒノキの他、ヒバ、カヤ、クリ、ナラ、サクラなどがあげられます。
参考:(株)ハンズマン
ここからは、ウッドデッキなどを設置する際、屋外でも安心して使用できる代表的な木材について紹介していきましょう。マレーシアやインドネシアといった高温多湿な環境で生育し、生産・加工された広葉樹は水に強い木材が比較的多くあります。
マレーシアやインドネシアを原産とするウリンは、クスノキ科の広葉樹です。ポリフェノールを多く含むウリンは、強い抗菌作用と耐久性に優れた水に強い木材です。成長が遅いため、目が詰まっており、加工しても木目がほとんど出ないという特徴があります。
非常に硬いため、加工が難しくDIY向きではありませんが「100年腐らない」といわれるほど耐久性のある木なので、ウッドデッキにウリン材を使用する施工業者も数多くあります。
参考:ホーム建材デポ
ウリンと同じくマレーシアやインドネシアを原産とするセランガンバツはフタバガキ科の広葉樹です。加工される木材の80%以上が黄褐色で、色が揃いやすいのが特徴です。樹高が大きいため長尺の木材が取りやすく、コストパフォーマンスが良いのも特徴と言えるでしょう。ウリンほど硬くないのでDIYの際にも使いやすい木材です。
国内では「デックス東京ビーチ」「伊丹空港展望デッキ」などでウッドデッキとしての実例が見られます。
秋の味覚として、その実がよく知られている栗の木は、硬くて重く、耐水性に優れた木材として、古くから家の土台などに利用されてきました。栗の木は粘りもあり、乾燥後は弾力性に富んだ狂いの少ない良質な木材となります。タンニンを多く含むため、腐朽菌に耐性もあり腐りにくい木材です。年数が経つと、木に含まれるタンニンが徐々に色を増し、栗色から黒褐色に変化するのも特徴です。
ウッドデッキを自分の手で作りたいと考えた時には、ほとんどがホームセンターで材料を調達することになるでしょう。ホームセンターには、誰もが扱いやすい木材が用意されています。その中から、水に強い木材を選んで購入することが重要となります。
これまで何度か登場したヒノキは、耐水性・耐久性に富み、ホームセンターでも手に入りやすい木材です。軽く加工性に優れていることや、光沢のある白い木肌がDIYをする人たちの間で高い人気を得ています。αカジノールやヒノキオールといった成分を多く含み、リラックス効果や抗菌効果の高い特有の香りがよく知られた特徴と言えるでしょう。
日本を代表する木のひとつですが、スギよりも伐採できるまで時間がかかるため、同じ針葉樹であっても価格はスギよりも高価になります。
日本で多く植えられているスギも、ホームセンターで手に入りやすく、かつては水に強いとされていた木材です。日本書紀にも「船はスギで造れ」という記載もあり、水車の材料としても広く使われていました。
バーナーで表面に焼き目を入れることで、さらに腐りにくくなるのも特徴です。定期的にメンテナンスをおこなうと、経年変化により美しい木肌・木目を楽しむことができます。
チークは、クマツヅラ科チーク属の広葉樹の総称です。現在、天然のチーク材は主にミャンマーで計画的な管理の上で生産された最高級の木材となります。ホームセンターで購入できるものは、インドネシアで植林されたものがほとんどです。
チークは木製タールを多く含むため、水をよく弾きます。光沢があり、肌触りがしっとりとしていることも大きな特徴です。非常に重く、硬く頑丈なので加工は大変ですが、その分、長年の使用に対しても狂いの少ない木材です。。
ホームセンターでレッドシダーとして購入できる木材は、日本では米杉とよばれます。。DIYでウッドデッキを作る際には一般的に用いられる木材でヒノキオールの含有量が多く耐水性・耐久性に優れています。レッドシダーは針葉樹で、比較的柔らかく軽量なため、扱いやすく加工もしやすいことが特徴です。
一言で、水に強い木材と言っても、さまざまな種類があります。一般的に水に強い木材には以下のような特徴があります。
自分の手でウッドデッキを作りたいと考える方は、このような特徴を参考に、適した木材を選んでみるのはいかがでしょうか。
森未来は木材情報を集約したプラットフォーム「eTREE」を展開しています。 その中でも、全国の木材事業者・木材加工業者とのネットワークを生かしたプロの木材コーディネーターが あらゆる木材の調達・加工をお手伝いします。針葉樹や広葉樹といったさまざまな樹種をはじめ、ウッドデッキを長持ちさせるための保護塗料や保護加工にお困りであれば、ぜひご相談ください。
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