白木とは | 無垢材との違いや特徴・用途・お手入れ方法を解説

eTREE編集室

白木は、木の本来の質感や風合いを活かせることが特徴です。和風建築や家具などに多く使用される一方で、汚れや傷がつきやすく、湿気の影響を受けやすいといったデメリットもあります。
本記事では、白木の定義や特徴、種類、用途を詳しく解説します。白木の魅力を最大限に活かすためのポイントを押さえましょう。

白木とは「加工を施されていない木材」

白木とは、表面に塗装や加工が施されていない木材のことです。着色せずにクリア塗装したものを白木調と呼ぶこともあります。
日本建築や家具、工芸品などに広く用いられています。

特徴

白木には下記の特徴があります。

  • 自然な風合い
  • 経年変化

木が本来持つ自然な色合いや木目をそのまま楽しめる点が白木の大きな特徴です。表面に塗装加工をしていないため、木の質感や手触りを感じられます。
また長期間使用することで色合いが変化するため、経年変化という意味でも楽しめる材です。
ただし、表面保護がされていないため、傷や汚れが付きやすかったり、温度や湿度の影響を強く受けることで変形したりする可能性があります。
メンテナンスには専用のワックスなどが必要です。

種類

白木とは特定の樹種を指す用語ではなく、木材の加工方法に着目した用語です。
そのため、いずれかの樹種を指している言葉ではありません。
スギやヒノキ、キリ、シナなどの国産材や、ベイツガ、スプルスなどの輸入材がよく使われています。
また、吉野杉や吉野桧、木曽桧などのブランド銘木も白木として加工され、高値で取引されています。

主な用途

白木は和室に多用されており、具体的には下記のような場所で使用されています。

  • 鴨居
  • 敷居
  • 天井材
  • 仏壇、位牌 など

表面加工されておらず環境の変化を受けやすいため、屋外での使用には適していません。

加工方法

白木は、原木を乾燥させ、樹皮を剥がして製材します。
一般的な木材は塗装や着色などの表面仕上げを行うので、加工方法が大きく異なるのです。
ほとんど加工していない分、木の本来の質感や色を最大限に活かせますが、汚れや傷が付きやすいというデメリットも持ち合わせています。

白木と無垢材の違い「加工しているかどうか」

白木は、原木を乾燥させて樹皮を剥いた後、塗装などの表面加工を施しません。
一方無垢材は、丸太から切り出した木材に塗装や防腐・防虫処理がされているものも含んでいます。
そのため無垢材は、塗装や加工により、ある程度の耐久性や保護機能を持つ場合があります。

白木を内装に使うメリット

白木を内装に使うことで下記のようなメリットがあります。

  • 調湿性に優れる
  • 環境に優しい
  • 軽量である
  • 明るい印象を与える

化学的な塗料を使用しないため、子どもがいる家庭や健康面に注意している方も安心です。

調湿性に優れる

白木は、表面加工されていないため、元より木材が持っている「調湿作用」を持っています。
内装に多く使うことで室内の湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出し、室内の湿度を一定に保ってくれます。
過ごしやすい環境づくりに有効です。

参考:木材は人にやさしい|林野庁

環境に優しい

白木には化学的な塗料や接着剤などが使用されておらず、加工のために使うエネルギーも最小限であるため、環境に優しい材といえます。

廃棄する際も、天然素材であり生分解性が高いため、適切に埋め立てられれば自然に分解されて環境に対する負荷は少なくなります。

また、白木は木材チップやパルプ、家具や建材としてリサイクルや再利用も可能です。
処分するだけでなく、再利用することでより環境負荷を抑えられるでしょう。

軽量である

白木に使われる樹種はスギやキリなど樹木の中でも軽量なものが多くなっています。
そのため、搬入や取り扱いが容易で、施工時に労力や時間を節約できます。

また、取り付けや配置がしやすいことでデザインの自由度が高まり、工夫次第で様々な内装アイテムとして利用できます。

明るい印象を与える

白木は、明るい色合いのものが多いため、内装に使用することで、空間全体が明るく開放的な印象になります。
特に小さな部屋や天井が低い空間では、視覚的に開放感を感じられるため、圧迫感を軽減できるでしょう。

また、明るい色合いの白木は自然光を反射しやすいため、室内が明るく感じられます。
日光が少ない部屋や照明だけでは暗く感じる部屋に使用すると光を多く取り入れ、明るい空間に仕上げられます。

白木を内装に使うデメリット

白木を内装に使うデメリットは下記です。

  • 風合いが変わりやすい
  • 汚れが目立つ
  • 湿気の影響を受けやすい
  • メンテナンスの手間がかかる

それぞれ解説します。

風合いが変わりやすい

白木は、表面加工をしていないため、環境の変化を受けやすく劣化しやすい性質を持っています。
直射日光が当たる部分は特に色あせやすく、風合いが変わる可能性があります。

また、材質が柔らかい場合も多く、家具の移動や日常の使用で傷がつきやすいため、慎重に使う必要もあるでしょう。

汚れが目立つ

白木は表面に保護加工が施されていないため、手垢や油分などが染み込みやすく汚れが目立ちます。
キッチンや玄関などの汚れやすい場所では注意が必要です。
特に、小さい子供やペットがいる家庭では、汚れる可能性も高まるため、綺麗に保ちたい場合は設置する場所を十分検討しましょう。

湿気の影響を受けやすい

白木は湿気を吸収しやすく、長期間湿度が高いままの場合、カビが発生したりや変形したりするおそれがあります。
湿気の多い浴室や地下室などでの使用は控え、適切な換気が必要です。

メンテナンスの手間がかかる

汚れや傷がつきやすいため、定期的な掃除や手入れが必要です。
特に特有の白さを保つためには、専用のクリーナーやワックスを使用してのケアは欠かせません。
専門的な知識や白木用の道具が必要な場合もあり、人によっては負担を感じるかもしれません。

白木の手入れ・メンテナンスの方法

白木の美しさを保つには、日頃の手入れが大切です。
日常的な清掃から汚れを落とすためのメンテナンスなど様々な方法を紹介します。

日常の手入れ・メンテナンス

日常の手入れは、下記2つのポイントを抑えておきましょう。

  • 柔らかい布やはたきでホコリを優しく払う
  • 少し湿らせた布で拭く

日頃のお手入れは、乾いた柔らかい布でから拭きすることが基本です。汚れが気になる場合は、布をお湯に浸し、よく絞ってから拭きましょう。
また、天然のオイルや白木用のワックスを定期的に塗布することで汚れや乾燥を防止できます。

汚れを落とすための手入れ・メンテナンス

お湯で拭いても落ちない場合は、専用のクリーナーを使用します。酸性の水溶液での拭き掃除も効果的です。

ただし、中性やアルカリ性の洗剤は使用を避けてください。風合いが損なわれる可能性があります。

まとめ

白木は、木の自然な風合いや質感を活かせる魅力的な素材です。
しかし、傷や汚れが付きやすく、メンテナンスが欠かせません。白木の特性を理解し、適切な環境で使用しましょう。
木の温もりを感じられる「白木」を活かしながら魅力的な空間を作ってみてはいかがでしょうか。

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