FM認証 宮崎県

諸塚村

FSCと「シイタケ」

宮崎県北部の山あいに位置している村です。村の森林は主にスギ・ヒノキ・コナラ・クヌギ・シイ・カシなど多様な樹種で構成されています。古くから照葉樹林が広がっており、炭焼きや焼き畑の文化を中心としていたという歴史から、針葉樹林だけでなく、広葉樹林を育てる森づくりが進められてきました。2004年にFM認証を取得し、翌2005年には「FSC認証の原木で育てたシイタケ」でCoC認証を取得しました。また、シイタケの原木として用いられる広葉樹を用いた建材、木工品の普及事業「どんぐり材プロジェクト」にも力を入れています。

日本型FSCの一例として

諸塚村がFSC・FM認証を取得したきっかけは、FSC側からのアプローチでした。取得当時は国内でFSCが広まり始めた頃で、ヨーロッパ型の林業をベースとしたFSCの基準はまだ日本にうまく合致していませんでした。いわば、日本型林業に”翻訳”されたFSCの確立が必要とされていたのです。そんな折、まだ認証実績のなかった九州でのフィールドとして諸塚村に声がかかりました。模擬認証を導入するプロジェクトを立ち上げ、村民への結果報告をきっかけに認証取得の本格的な準備へと繋がっていきました。

食べるFSC認証

認証取得後は、FSCの知名度を上げるべく啓発に取り組んできました。例えば、諸塚村の特産品を使ったオリジナルスープのコンテスト「森の恵みのスープ料理コンテスト」の開催です。このコンテストは、首都圏で展開する食べるスープの専門店との共催で行われました。メニューの中には、FSC認証を受けたシイタケが使われます。シイタケを認証製品としたFSC認証の取得は森林のFM認証取得後まもなく、担当の認証機関からの提案で取り組み始めたものです。当時、食品でFSC認証を所得した例は世界を視野に入れてもほとんどなく、国外でも話題になりました。

ユニークさが光る材

材としても、特徴のある取り組みを行っています。例えば、スギの自然乾燥です。一般的な人工乾燥だと木材にダメージが残りやすいため、伐採した木を2〜4か月山に置いたまま葉枯らし乾燥させ、製材後も2〜6か月倉庫で自然乾燥期間を取ります。また、シイタケ栽培用の広葉樹を建材として活用する取り組みもあります。シイタケ原木としての適期を過ぎた広葉樹は、大きすぎたり、重くなり、栽培現場では扱いにくい。そこで有効な活用方法として、NGO機関などの協力を得て建築内装材や家具の商品開発を行う「どんぐり材プロジェクト」がスタートしました。「FSCとの出会い」―「FSCを活用した取り組み」―「生産する材」まであらゆる部分に光るユニークさが特徴です。

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