FM認証 高知県
四万十町森林組合
日本最後の清流を見守るFSC認証林
高知県幡多郡大正町、現在の四万十町で活動する森林組合です。古くは幡多ヒノキの産地として名を知られた地域で、現在も主にヒノキを取り扱っています。町には日本最後の清流と称される四万十川が流れており、そのほとりにFSC認証を取得した森が広がっています。この森は「結の森」と呼ばれています。106haの結の森から始まったFSC認証林は、旧大正町を中心に増加を続け、現在では大正地区内のほぼ全域を網羅するまでの広がりを見せています。
2つの森林認証との縁
「結の森」は、組合が20年以上提携している企業の創業100周年を記念して誕生したものです。FSC認証の取得は、森の整備にあたり企業側から要望があったことをきっかけに、PRや差別化につながるだろうという期待を持って取り組み始めました。一方、大正町からは町有林でもともと取得していたSGEC(日本独自の森林認証)を取得してくれないかという打診がありましたが、検討の末に当時はFSC認証を選択しました。現在は周辺町村との合併で四万十町となり、町の中にFSC認証林とSGEC認証林が共存する形となりました。
人と人・山と町を結ぶ「結の森」
結の森で目指しているのは、森林保全だけではありません。地域の活性化や交流の場として活用されるような取り組みにも力を入れています。例えば結の森や四万十川の自然に関する調査で、植生調査の調査員には地元の四万十高校の生徒が参加しています。四万十川そのものについての「清流基準調査」も行っています。こちらの調査員としては、四万十高校の生徒だけではなく地元の方々も参加をしています。結の森は、人と人、山と町とのつながりを再生する場としても活用されているのです。
とことんまで木を使う仕組みづくり
一般的な森林組合のスタイルは「森を育てて伐採し、市場に出す」というものですが、さらに一歩踏み込んだ「森林資源を活用して販売し、その利益を再び森へと返して循環させる仕組みづくり」への取り組みも進めています。こうした動きを後押ししているのが、組合で開設し、CoC認証も取得した集成材工場です。ここで作られる集成材の材料には、端材や曲がり材などこれまで市場価値がないとして山に放置してきた材です。さらに、集成材の材料とすることが難しい材もバイオマス燃料として活用しています。住宅用の材となる部分だけではなく、木材の全ての部分を有効活用する取り組みがここで行われているのです。